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女子ランナーが義足アスリートを直撃取材!義足アスリートの真のすごさとは?
LIXIL
2020.02.14 10:00
8月25日にいよいよ開幕する東京2020パラリンピック。陸上競技や水泳、車いすバスケットボールなど22の競技が自国で開催されるということで楽しみにしている人も多いはず。世界中から障がいのあるトップアスリートが集結し、白熱した戦いを見られるまたとない機会、義足アスリートの日常やスポーツ義足について知れば、より一層楽しめると思います。そこで今回は、義足アスリートとして東京2020パラリンピックの出場を目指す山下千絵選手とランニングアドバイザーでモデルの福内櫻子さんの対談が実現!大学時代に関東大会で5,000mと10,000mで連覇を達成するなど数々の記録を持つ福内さんに、実際にスポーツ義足を装着し義足の体験もしていただきました。
義足を隠し通した小学生時代から短距離世界一を目指すまでの長い道のり
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●福内櫻子さん(写真左)
1993年生まれ。ランニングアドバイザー。アスリートマイスター3級。「関東大学選手権大会」の5,000mで3連覇、10,000mで2連覇、「全日本大学選手権大会2014」の 5,000mで2位、「全日本大学駅伝」2位など、長距離走において数々の記録を持つ。現在はアスリートタレントやモデルとして、テレビや雑誌などで幅広く活躍。
●山下千絵選手(写真右)
1997年生まれ。法政大学4年生。小学4年生のときに交通事故に遭い、左ひざから下を切断。大学でスポーツ学を専攻し、2年生からスポーツ義足をつけ陸上競技の短距離走に打ち込む。また、5歳から続けていたテニスを中高時代も今も健常者に混ざって続け、東京都ベスト8進出を果たす。
福内さん
山下選手は短距離、私は長距離と、走ることが好きな同士、この対談を楽しみにしていました。まずは、山下選手が義足をつけるまでのお話を聞かせてください。
山下選手
小学4年生のときに横断歩道を渡っていたところ大型トラックに追突され、左脚のひざ下を切断しました。その後、義足を装着したのですが、「言ったらいじめられるんじゃないか」と思い、友達には義足を隠して学校生活を送っていました。
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福内さん
どうやって義足を隠していたんですか?
山下選手
夏も長いパンツをはいたり、体育の授業を休んだり。友達には「複雑骨折」ということで通していましたね。ひたすら義足で歩く練習をしていたので、友達は気づきませんでした。その後、受験して入った中高一貫校で初めて友達に義足だと伝えたのですが、反応がすごくあっさりしていて、「自分が思うほど周囲は気にしないのかもしれない」と感じました。それ以来、義足について聞かれたら答えるというスタイルにしました。
福内さん
周囲に気づかれないレベルになるまで義足を使いこなすのは、相当な練習が必要だったと思います。スポーツ義足を使い始めたのはいつからなんですか?
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山下選手
大学2年生で陸上を始めたのがきっかけです。日常用の義足と感覚が違うので、慣れるまでは大変でした。スポーツ義足はかかとに相当する着地面がないので、爪先立ちのような感じになるんです。なかなか感覚が掴めず、壁をつたいながら歩く練習をして、ジョギングができるようになるまでに1ヶ月くらいかかりました。
福内さん
1ヶ月ってすごく早いですね!
山下選手
練習にハマっていたのと、できない悔しさから「絶対マスターしてやるぞ!」という想いでがんばりました。スポーツ義足をはいてから、むしろ「自分を見てほしい」という気持ちが強くなりました。「かっこいいでしょ?」と。今は、スポーツ義足をはいた女性短距離ランナーとして世界一になりたいですね。
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福内さん
いけるところまでいってほしい!
今日はLIXILが全国の小学校で主催しているスポーツ義足体験授業「ユニバーサル・ラン」にお邪魔して、山下選手の授業を見学させていただきました。講師はいつから、どんな想いでされているんですか?
山下選手
大学2年生のときに始めて、今までに40回以上講師を務めました。全国の小学校を訪問して、スポーツ義足をつける体験をしてもらったり私の義足経験などをお話ししたりしています。
1人でも多くの子どもたちに義足を知ってもらい、身近に感じてもらえたらと思っています。あとは同じ時間を過ごすことで、自分とそんなに変わらないんだなと、気づいてもらえたら嬉しいですね。
福内さん
授業で山下選手が実際に義足を脱いで切断した脚を見せ、「好きにリアクションしていいよ。怖い?」とか「プニプニしているから触ってみて」と、子どもたちと自然に距離感を縮めている姿が印象的でした。そのおかげで、子どもたちの抵抗感がなくなっていましたね。
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山下選手
切断した脚を触ってもらうと、子どもとの心の壁が一気になくなります。これはどこの小学校に行っても同じですね。実際に切断した脚を触ったり、義足をはき替えるところを見たりして、障がいに対して「怖い」「かわいそう」ではない新しい視点を持ってもらえたらと思います。最終的に、「義足の人に初めて会ったけど思っていたよりも普通だった」とか「かっこよかった」と思ってくれたらすごく嬉しいです。さらに、授業の最後のスライドショーを使った座学で、障がいや義足に関する知識を深めてくれたらと思います。
福内さん
私も障がい者の方に対する考えが変わりました。競技をするうえで「ユニバーサル・ラン」の影響はありましたか?
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山下選手
子どもたちやLIXILの社員の方が大会の応援に駆けつけてくれたり手紙を送ってくれたりするので、本当に力になります。応援に後押しされながら、今、東京2020パラリンピック出場を目指してがんばっています。
福内さん
確かに、私はゲストランナーとして、各地のマラソン大会で参加者の方を応援する立場なのですが、人って応援されるとより一層力が出せるものですよね。山下選手の活躍を楽しみにしています!
スポーツ義足をランナー福内さんが体験!アスリート目線で語るその難しさ
山下選手との対談を通して、「スポーツ義足で走ることに興味がわいた」と福内さん。早速、片方の脚にスポーツ義足をつけてみることに。山下選手の肩を借りて立ち上がると「あれ? 体が安定しなくて怖いですね」とよろめきます。
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通称・板バネと呼ばれる足部が床につくと反発するので、体のバランスをとるのが難しいよう。「義足をつけていないほうの脚を高く上げながら歩くと、バランスを取れますよ」と山下選手。アドバイスをもとに実践すると、福内さんはすぐに感覚をつかんで1人で歩けるようになり、「板バネの反発で目線が2mくらいの高さになるんですね」と驚きの様子。「義足でけんけんしてみます?」との山下選手の言葉に、「無理です!」と言いながらも持ち前のアスリート魂を発揮し、2歩けんけんすることに成功。「さすが、上手ですね」と山下選手も嬉しそうでした。
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体験を終えて福内さんは「スポーツ義足をつけている脚を支えるために、もう一方の脚に負担がかかって疲れました。山下選手は短距離を走るときに、スポーツ義足をつけていないほうの足の爪先しか地面につけていないので、体幹のバランスが優れている。改めてすごい!と感じます」と語ってくれました。
さまざまな人の目線で考え・思いやる心を育む「ユニバーサル・ラン」とは
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今回、山下選手が講師を務めたスポーツ義足体験授業「ユニバーサル・ラン」は、東京2020パラリンピックのゴールドパートナー(住宅設備部材&水回り備品)のLIXILによる取り組み。誰もが体を動かすことに喜びを感じられるような社会づくりを目指してスタートしました。2017年4月から全国の小学校を訪問し、今回訪れた浦安市立見明川小学校で220校目。義足を使用する障がい者アスリートが講師となり、スポーツ義足の体験と座学を行い、子どもたちが多様性への理解を深めるためのきっかけづくりとして行っています。
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授業は、まず講師が義足をつけたリアルな日常生活を語り、興味や疑問を持った子どもたちが気軽に質問を投げかけるスタイル。「お風呂に入るときは?」「ショートパンツははきますか?」などの素朴な疑問から、「得したことはありますか?」という大人では思いつかないような意外な質問まで飛び出し、講師が一つ一つ丁寧に答えることで、障がいや義足に対する新たな視点が子どもたちに生まれていきます。さらに、講師がスポーツ義足をつけて体育館を走ると、それまで怖々見ていた子どもたちは目の色を変え、尊敬の眼差しを向けるように。
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また、実際にスポーツ義足を装着して歩く体験では、初めてのことに夢中になる子どもたち。楽しみながら義足使用者の目線に立ち、考えることができる貴重な体験です。そして最後に座学を受け、義足について学びを深めます。さらに、競技やクラス分けの解説も。体験を通して義足への興味が高まっている子どもたちは、前のめりになって講師の話を聞いていました。
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障がい者をはじめ、高齢者、妊婦さんや乳幼児を連れた方など、自分とは違う立場の人の目線で物事を考え、思いやる心を持つこと——そんな“心のユニバーサル化”を目指す「ユニバーサル・ラン」。ものづくりの会社として、ユニバーサルデザインを追求・提供してきたLIXILだからこその取り組みだと感じられました。
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今回、義足使用者の生活やスポーツ義足の体験談などを知り、東京2020パラリンピックの興味はより高まったでしょうか? 東京2020パラリンピックの観戦は熱狂したり感動したりするだけでなく、一人一人の違いを知り、相手の立場になって考えるきっかけも得られるかもしれません。気になる競技は早めにチェックして、今から楽しむための準備を整えましょう!
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